2025年6・7月号


金北山にかかる雲の行方を追いながら
足元のオオバコや沢沿いのハコベを摘む。
いきつもどりつ、ようやくやって来た春を
散歩しながら満喫中です。
いちばんのお気に入りコースは
沢沿いの果樹や田んぼ、分水嶺、
珍しい山野草もありアオサギやトキなど
野鳥もやってくる山里の道。

呼吸が深くなり、
本当にリラックスします。
そんな春爛漫のある日、
有名なバレエ団の公演を鑑賞する機会に
恵まれました。
なんの予備知識もなく由緒正しい劇場に
一歩入るともうそこから華やかな別次元。
人々は気負いすぎずおしゃれでスマート、
スタッフもさりげなく親切で。
おしゃれなカフェもあって
映画の演出みたい!
初めて目にする光景を全て目に焼きつけ
ようとドキドキしながら開演を待ちました。

オーケストラも久しぶりだったのですが
曲目はどなたもご存知のチャイコフスキー。
舞台に引き込まれるような高揚感と放たれ
る美しさが交互に押し寄せてくる。
夢見心地でいるとバレエダンサーがだんだ
ん散歩道で出会う鳥たちのように見えてき
たのです。

田んぼに舞い降りるトキや、首を伸ばす
アオサギのよう。

わたしも自然に動き出し、
持っていたペンを落としていました。
自然の造形は不思議で
完璧に美しく
優れた芸術はその自然の姿を表現している

鑑賞後は素晴らしかったくらいしか
言葉が出ませんでしたが、
同時に深い安堵感を覚えたのも確かです。
オーケストラの音楽とバレエ
言葉を介さずとも美しさを体験したら
エステ帰りみたいに軽やかになって
どこまでも飛んでいけそうな気分。
芸術に触れることはまさに
心のマッサージですね。

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